2016年12月03日

平成二十八年師走、芝は青く、草は枯れず。これでいいのか。

 十二月です。早いもので、今年も残すところあと一ヶ月を切りました。春のように暖かい日が続き、大変助かります。しかし、12月にもかかわらずこの暖かさ、何か気になりませんか。

 さて、正翁寺の本堂に向かって左の方に、原っぱがあります。例年ここの草は、1月頃には枯れてしまい、辺りは茶一色となります。そして3月を過ぎるころ、茶色の原っぱの中に緑色をした新芽がちらほら色づいてきて、春の喜びを感じる。毎年これを当たり前のことのように思っていました。しかし、平成28年1月、2月と、原っぱの草は緑色のまま。そして、草は枯れることなく3月を迎えるこことなったのです。

 曹洞宗を開かれた、道元禅師(どうげんぜんじ)は、鎌倉時代に正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)という書物を残されました。その中にこのようなことが書かれています。

 『因果(いんが)の道理、歴然(れきねん)としてわたくしなし』(正法眼蔵『深信因果(じんしんいんが)』より)

 「原因と結果の関係性は、ハッキリとしていてごまかしようがなく、公平無私(こうへいむし)なのですよ」といった内容です。結果には、必ず原因があり、その「因果の法則」は公平で、ごまかせません。

 例えば、透明なコップにきれいな水が入っているとします。その中に、黒い墨を一滴ずつ入れていきます。すると、コップの水はごまかしようがなく、黒色に染まっていきます。「黒色に染まった水」という結果の原因は、「墨」です。

 また、肥満になる原因を考えていくと、アルコールだったり食事の内容、あるいは食事の時間やタイミングなど様々な原因が考えられます。さらに、内面的な原因を考えていくと、ストレスであったり、静寂な時間が少なかったり、運動不足であったり、呼吸が浅かったり、腸内環境が整っていない等々、様々な因果関係が見えてきます。

 そうやって原因を突き詰めて、根本を少しずつ善良な方向へもっていくことは、実はお釈迦さまが説かれた「縁起(えんぎ)」の教えなのです。

 自分自身に善い原因を与えて、すっきりとした状態をつくっていきます。「稲盛和夫と福島の子どもたち〜人は何のために生きるのか」という本の中で、「ひとは、善いことを思い、善いことを実行していくことで、善い運命をつくっていくことができるんですよ」と、「因果の法則」について書かれています。 

 温暖化している地球に、何らかの善い原因を与えていく、もしくは悪い原因ををさぐって、少しずつ取り除いていく。そんな時が来ているのではないでしょうか。温暖化はすぐそこに迫っているどころか、もう結果として現れています。それに対する意識は、国民の、いや、地球人の必須課題といえるでしょう。

 遊ぶことも、食べることも、お金を稼ぐことも、全ては、地球環境が落ち着いていることが大前提ですので。

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◎参考:正翁寺報「まんぷく通信」.pdf


 
posted by 正翁寺 at 10:41| 日記