2019年01月01日

明日の分からぬ人生で 今日を迎えたこと 誠に有難し

 新年を迎え、皆さま気持ちを新たに、「今年は運動を続けるぞ」とか「今年は言葉づかいに気をつけよう」とか、様々な目標を掲げていることでしょう。

 さて、この「有難い(ありがたい)」とは、字の通り「あることがむずかしい」という意味です。あることが難しいので、「まれだ」という意味となり、まれなものは貴重であるから、「感謝する」とか「うれしい」ということになります。

 いつ何が起こるか分からない人生の中で、地震が来ることもあれば、病気になることもあるし、歩行者だけの道路に車が来ることもなくもない。何が起こるか分からない中で、今日の日を、この平成31年を迎えたことは、簡単で当たり前なようですが、よくよく考えると難しいことです。

 また、ご縁のある人と新年を共に迎えることも、蛇口をひねれば出てくる一杯の水も、スイッチ一つで明るくなる電球一個も、どれも当たり前のように思いがちです。しかし、人でいえば生まれてきて成長するだけでも難しいことですし、水や電気でいえば、水道管や電線が順調で、雨が降ったり、燃料がとれなければいけません。

 いつどうなるか分からない、諸行無常な人生の中で今日の日を迎えられたことは、「十方(※じっぽう)有難し」という真実が満ちているのです。【※「十方(じっぽう)」とは、東西南北、東南・東北・西南・西北と上下】

 このような新年の輝かしい初心を忘れずに、12月を迎えたいものです。皆さまが、清らかな良縁とたくさん出会うことを、祈念申し上げます。合掌

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【参考】『大辞林』三省堂
posted by 正翁寺 at 11:55| 日記