皆さん、こんにちは。年が改まり、新たな清々(すがすが)しいお気持ちで元旦を迎えたことでしょう。
さて、今回の「自浄其意」ですが、そのまま漢文で読むと「じじょうごい」と読みます。
もう少し分かりやすく、書き下してみますと、「自(みずか)ら其(そ)の意(い=心)を浄(きよ)くす」と読むことができます。
これは、仏教の根本的な教えであります四句のうちの一つなんです。四句すべて記して見ていきましょう。
@諸悪莫作(しょあくまくさ)−もろもろの悪をなすことなく
A衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)−もろもろの善を行い
B自浄其意(じじょうごい)−自ら其の心意(こころ)を浄(きよ)くす
C是諸仏教(ぜしょぶっきょう)−是(これ)がもろもろの仏(ほとけ)の教えなり
となります。
さらに簡単に訳しますと、「悪いことをせず、善いことをする。そして、自分の心を浄(きよ)くしていく。これが、仏教の教えですよ。」となります。
な〜んだ。そんなこと3歳の子どもでも分かるわい、と思うでしょう。しかしですね、仏教の特色が大きく出ているのが、今回記した3句目「自分の心を浄(きよ)くしていく」ことなんです。
綺麗に拭きあげたはずの床に少しずつほこりが着いていくように、私たちの心も日々少しずつほこりが着いていき、放っておくと頑固な汚れとなってしまいます。日々歯をみがいたり、衣類を洗濯するように、仏さまの教えに触れたり、あるいは学んだ教えを行動に移してみたりして、心を洗濯していきます。
特別なことなどしなくても結構です。日常の中で口にする言葉や考え方、あるいは行動を少しだけ「善意(ぜんい)」に近づけるだけで充分です。自分の力量以上の極端な善意な行為は、疲れたり、ストレスとなって、かえって大きなゴミが付着してしまいます。少しずつで結構ですので、習慣化していき、意識せずともできるようになれば、また次のステージに移っていけばいいのです。
皆さんには、それぞれの役割があると思います。学生なら、勉強や部活動。大人なら、仕事やそ子育てあるいは、孫育て。それぞれの役割を通じて、自身の人間形成をしていきましょう。
気がつけば、いつの日か無理のない慈悲の行為が自然とできるようになることでしょう。そうやって浄らかな「おもてなし」が実現できれば、大成功といえるのではないでしょうか。
自分の心を浄くしていくこと。それが、仏教の教えのベースにあることだと知っていただければと思います。
合掌
2020年01月02日
自浄其意(じじょうごい)
posted by 正翁寺 at 13:05| 日記