2021年01月01日

自己をととのえ 他にいかす

 新年を迎え、輝かしいめでたい光が私たちの世界を包み、心地よく感じる元旦の早朝、皆さまにおかれましては、どのように感じられたでしょうか。

 さて、仏教における目標は、「心を浄(きよ)くととのえていく」ことです。なぜか。それは、煩悩という悪い雲が、初日の出のようなキラキラ輝かしい私たちの心を覆(おお)ってしまうからです。

 煩悩という悪い雲を、発達させすぎないように、日々の習慣力でコントロールしていきます。

 その目標へのプロセスは大きく分けて二つ。一つには「自利(じり)」。二つには「利他(りた)」です。

 自利とは、自分をととのえることです。生活リズム、食事、言葉づかい、見方、考え方など、様々あげられます。

 利他とは、周りを善(よ)くしていくことです。しかし、自分がまだ未熟であるのに、利他ばかり意識して、疲れたり、疲れて周りに当たったり、あるいは病気になってしまってはいけません。

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 お釈迦さまの教えの根本は、中道です。中道とは、バランスのいいところで行います。年令や性別、体質、性格により様々です。両極端を離れ、程よいところで自分をととのえます。 
 
 自利を第一に、まずは自分をととのえる生活リズムを見つけだし、できうる範囲で利他を行えば充分です。少しずつ少しずつ着実に改善し、日々繰り返していきます。多少なりとも元に戻ったっていいんです。自分自身に少しずつ良縁(りょうえん)を与え続けるのです。

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 自分をよくととのえて、そのととのった自分を周りにいかしていきましょう。そのうち、周りを善くしていくなんていう自我意識すら、しぼんでいきます。それでいいんです。

 仏の教えは、ごくごく当たり前なことばかりで、刺激的な教えではありませんが、このような副作用のない最上の教えです。なので、よく「宝(たから)」と例えて言われます。

 仏様がキンキラキンだったり、宝珠(ほうじゅ)と言われる玉ねぎのような飾りをよく見かけるのは、そのせいです。

 ブランド品も魅力的で素晴らしい宝物ですが、仏の教えと比べると、月とすっぽんなんですよ。

 副作用のない仏の教えを生活に取り入れて、毎日が心地よく過ごせるようになればいいですね。コロナ禍で時間がある方は、是非仏教の本を手に取ってみてはいかがでしょうか。

 苦しいときには、普段読まなかった本など食い入るように読破してしまいます。だから、ピンチはチャンスなんです。苦は楽の種なんです。

 皆さまにとって、素晴らしい令和三年となることを祈念申し上げます。ともにいい国つくっていきましょう。 合掌

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posted by 正翁寺 at 17:35| 日記