2021年09月17日

辛いという字に一つ足すと幸せに成る


 この言葉は、9月中旬の日本経済新聞に掲載されていたものです。

 父親が興(おこ)した産業廃棄物処理の石坂産業(埼玉県三芳町)は、「公害企業は地域から出ていけ」と、住民の横断幕が工場を取り囲み、風評被害で存続の危機に立たされていた。

 後を継いだ石坂典子社長は、高い理念を掲げて社員の意識を変え、やる気を引き出し、反発する社員が4割も退社するといった難局を乗り越え、荒れた森を「地域へのおもてなし」とうたって再生させ、今では、環境共生のモデル企業と呼ばれるまでとなったという。

 社員の半数は20代〜30代で、若い社員のやる気を引き出す秘訣は「失敗体験で恥をかくこと」。

 そんな石坂社長は父親から受けた大切なことばがある。「辛いという字に一つ加えると幸せになる」という表題のものです。

 コロナ禍、自粛、黙食。そのような言葉が一般化された昨今ですが、辛いと幸せは表裏一体で、ものごとの捉え方や受け取り方も人それぞれで千差万別です。

 苦は楽の種といわれるように、苦しい状況に身を置くと、人はもがいてはい上がろうとします。その時につかんだきっかけが、その人の覚(さと)りとなって、人間形成がなされ、色々なことが分かってきます。

 辛い状況は、永遠には続きません。神様は乗り越えられない試練を与えないといわれるように、きっと乗り越えられるはずです。

 蓮の花も、澄んだ水で咲くのではなく、泥という苦難を脱して、あのような美しい花を咲かすのです。

IMG_06622○.jpg
posted by 正翁寺 at 18:09| 日記