よく仏教って何ですかと聞かれることがあります。
仏教とは、お釈迦さまの教えです。
では、お釈迦さまの教えとは、何なのでしょうか。
たくさんの教えの中でも代表的なものは、『縁起(えんぎ)』です。
よく、「縁起がいい」とか、「縁起でもない」とか使われる『縁起』です。しかし、それとは意味が違います。
仏教で言う『縁起』とは、「この世のあらゆるものは、縁(えん)によって起こっている」というものです。ここでいう『縁』とは、「結果を引き起こす原因」という意味です。
例えば、袋に入ったひまわりの種をそのままにしておいても、芽は出てきません。種に土や水、お日様の光、さらに人の愛情といった『縁』が加わることで、芽を出し、成長し、やがて花を咲かせます。
私たちの命も同じです。私たちも急にそこら辺から生まれてくるのではなく、縁によって生まれてきます。
ご先祖の出会いの縁でこの世に生まれ、生まれたからといって、そこら辺に放っておかれては死んでしまします。
ごはんを食べさせてくれる人がいて、便の始末をしてくれる人がいて、字の読み方を教えてくれる人がいて、様々な縁をいただきながら成長していきます。
特に、私たちは、食べ物を食べていかなければ生きていくことはできません。食べ物が口に入るまでの原因をさかのぼっていくと、作ってくれる人がいて、買ってきてくれる人がいて、買うための費用を得てくれる人がいます。
さらに、食べ物を生産してくれる人がいて、太陽の恵み、雨の恵みがなければ、その作物は成長していくことはできません。
雨の日は、あまり快適とはいえませんが、「雨」を「縁起の教え」に照らし合わせてみますと、雨の恵みは、私たちの「生命の源」であることが分かってきます。そう、私たちは、「雨」に感謝してもしきれないほどお世話になっているのです。
水がなければ、作物は育たなく、作物がなければ、私も育ちません。水に感謝、雨に感謝であります。
雨の日も晴れの日も、皆様の毎日が、好(よ)き日でありますように。