2022年01月01日

道心(どうしん)有る人を名づけて国宝と為(な)す

 伝教大師最澄が示された山家学生式(さんげがくしょうしき)の冒頭にあることばで、正しい道を求め、真実を求める心がある人のことを「道心ある人」という。つまりその人こそが国の宝である。

 コロナ禍の生活は、我慢が必要とされる。しかし、その我慢というものは、その人が思い描く標準に達していないから我慢となるのであり、その標準を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

 旅行や飲み会の制限に落胆することも共感する。しかし、人類にとっての最大級の問題は、衣食住であって、過去の歴史や戦乱の絶えない地域を思えば、現在の日本においては、本当に危機的な状況とはいえないはずである。

 しかし、近年の世界的な気温の上昇による影響は、衣食住の「食」や「住」に対する問題を生み始めている。だとするなら、旅行だ、飲み会だとはもう言っていられない状況が迫って来ているのである。

 状況が変われば作戦の変更も余儀なくするのであって、このコロナ禍という危機は、実は気づきのきっかけでもあり、標準を練り直すチャンスでもある。
 
 本年は、外に求めるのではなく、自己を見つめ直し、皆様がもっている素晴らしい「道心」という宝をより輝かせるよう努めていきましょう。宝が輝けば周りも明るくなり、眩(まばゆい)いくらいますます明るい世の中をつくるきっかけとなることでしょう。そのような素晴らしい一年となることを、心より祈念申し上げます。合掌

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(参考:「一隅を照らそう日暦」千眞工藝)

posted by 正翁寺 at 16:46| 日記