2022年07月06日

叱られた 恩を忘れず 墓参り

 元ヤクルトスワローズの監督野村克也氏は、自著『野村ノート』の中でこのような事を記している。

 〜おかげさまで〜
「夏がくると冬がいいという、冬になると夏がいいという。
太ると痩せたいという、痩せると太りたいという。
忙しいと閑(ひま)になりたいという、閑になると忙しいほうがいいという。
自分に都合のいい人は善い人だと誉(ほ)め、自分に都合が悪くなると悪い人だと貶(けな)す。
借りた傘も雨があがれば邪魔になる。
金をもてば古びた女房が邪魔になる、世帯をもてば親さえも邪魔になる。
衣食住は昔に比べりゃ天国だが、
上を見て不平不満に明け暮れ、隣を見ては愚痴(ぐち)ばかり。
どうして自分を見つめないか、静かに考えてみるがいい。
いったい自分とは何なのか。
親のおかげ、先生のおかげ、世間様のおかげの塊(かたまり)が自分ではないのか。
つまらぬ自我妄執(じがもうしゅう)を捨てて、得手勝手(えてかって)を慎んだら世の中はきっと明るくなるだろう。
おれがおれがを捨てて、おかげさまでおかげさまでと暮らしたい。

 ある社会活動家の言葉だそうだが、これを見てはっと思い当たることがあった。監督としてこれまで23年間選手の育成にかかわってきたが、いまの選手にもっとも欠けているものは何か、それは「感謝の心」にほかならないと気づいたのだ。

〜中略〜

 この感謝こそが人間が成長していくうえでもっとも大切なものである、というのが私の持論である。そして、そうした成長の集大成がチームとしての発展につながっていく。」

 いかがでしょうか。自分とは、おかげさまの塊(かたまり)であり、それに気づいた感謝の心が、私たちが成長していくうえで最も大切なものと記しています。苦労して叱ってくれた恩を思い出して、家族みんなでおかげさまでと、お墓参りをしたいものです。合掌

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【参考】『野村ノート』野村克也著(小学館)
posted by 正翁寺 at 20:30| 日記