2020年11月22日

がんばれ日本〜自分を守ることは、巡り巡って世の中も守ることになる〜

 コロナウイルスにかかりたい方はいらっしゃいますか。できることならかかりたくはありませんよね。それは、ごく自然な本能といえると思います。

 では、少し見方を変えてみましょう。もしも小さな子どもの母親がかかってしまったら、子どもたちは誰が見るのでしょうか。母親は子どもたちのためにも感染を避けたいと気をつけるはずです。

 さて、春頃、高速道路関連の従業員が感染し、あるインターチェンジが閉鎖されました。もしも、ほかの従業員も感染し、次々とインターチェンジが使えなくなってしまったら、世の中の様々な活動に大きな打撃となりましょう。

 お一人お一人が感染を予防することで、世の中の活動に穴を開けずに安定した社会が動いていくことができる。本能的に感染したくないと思うことでしょうが、お一人お一人の健全な一日は、健全な世の中をつくっていく原動力となります。

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 自動車一台の中に、様々な部品が組み合わされるように、世の中もお一人お一人がつくっていっています。一見、自分のための身を守る行動は、実は世の中のためでもあるのです。

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 お釈迦さまは、我欲(がよく)に振り回されることなく、日々精進せよと示されましたが、その浄らかなみ教えは、自分だけのことのようで、素晴らしい国づくりの礎(いしずえ)でもあるのです。自身の健康を第一に、社会を浄化して、共に素晴らしい世の中を築いていきましょう。 合掌
posted by 正翁寺 at 10:32| 日記

2020年09月10日

〜がんばれ日本〜環境を守ることは、巡り巡って自分たちも守ることになる

 皆さんこんにちは。

 コロナ禍の中、大変な自粛が続いていると思います。また、自粛により、需要が少なくなった職種の方々も、当然仕事が減るわけですから、手当も減る。大変な事態であります。

 さて、今年のアース・オーバーシュート・デーは、8月22日だったことを知っていましたか。

「アース・オーバーシュート・デー」とは、私たちの資源消費量が、地球が一年間で再生可能な資源量を上回る日をいい、この日を過ぎると私たちは、未来から資源を借りて暮らす赤字状態となってしまいます。【WWFジャパンホームページよりhttps://www.wwf.or.jp/activities/news/4390.html

 そうなると、今の1.6倍も地球がなければ資源が足りなくなってしまう試算となります。では、新たに宇宙を開拓すればいいのでしょうか。

 各国政府や科学者たちはこういった事態に対抗しようする時、すぐに自然と対立する策を講じます。そうではなくて、地球と人類が調和していくにはどうすればいいのかを考えていくべきではないでしょうか。人類の方が地球に合わせるよう行動を変えていかなければいけません。

 今まで生きてきたスタイルからの行動変容は、「失われる」と、とらえがちですが、「ありのままの健全な状態に戻していく」と考えてみてはいかがでしょうか。

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 過去の人類の歴史は、食糧を確保する戦いといっても過言ではありません。ところが、現代先進国は飢えるどころか、食べ過ぎてしまうほどです。

 また、150年前の人が、自動車という鉄の塊(かたまり)が猛スピードで走る様子を見たら驚くことでしょう。 

 私たちは、この現代の文明と当たり前のように接していますが、よくよく考えますと、とんでもない社会を生きてきました。

 ところが、コロナウイルスの感染拡大により、様々な制限が設けられました。一見すると「失う」ように思えますが、置かれた環境をよくよく考えてみますと、制限の中でも満ちていることは、実は気づきにくいだけで沢山あると思います。

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 コロナウイルスの感染拡大がおさまった後、感染拡大前と同じようでは、せっかく気づかせてもらったことが台無しです。私たちは、今回の行動変容をヒントに、大自然のいとなみと調和するよう温暖化が進まない範囲で、明るく楽しい未来を一緒につくっていきましょう。

【補足】 
 コロナ禍の中、大変な自粛が続いていると思います。また、自粛により、需要が少なくなった職種の方々も、当然仕事が減るわけですから、手当も減る。大変な事態であります。

 今は大変な時ですが、「苦は楽の種」ということばがあります。苦しいときには、普段では考えたことのないアンテナが立つものです。例えば、普段健康な人が腹くだしが続くとします。そういった時には、アンテナが立ち、普段手にすることのなかった医学の本を手に取って、いつの間にやら読破してしまう。そして、ああそうだったんだと、悟る(気づく)のです。

 苦しんだときのリカバーの経験は、今後の自分であったり、あるいは、他人であったり、世の中であったり、何かを救うきっかけとなる可能性もあります。

 世はみな無常です。どうせいつかは、死ぬ身なのですから、いつか来るその時までは、あらゆる苦難をきっかけに、たくさんの悟り(気づき)をえて、ともにいい国をつくっていきましょう。

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 人生は、苦難→気づき→安定→苦難→気づき→安定の繰り返しです。神様は乗り越えられない試練を与えないと言われているくらいですから、大丈夫です。あなたの苦しみがきっかけとなった気づきを待っている人がいるかもしれませんので、どうか死なないでください。
posted by 正翁寺 at 10:38| 日記

2020年08月12日

〜がんばれ日本〜 社会を守ることは、巡り巡って自分たちも守ることになる

 今、コロナ禍で、様々な自粛をすることとなっています。旅行が好きな人、演劇鑑賞が好きな人、スポーツ観戦が好きな人、様々なことができなくなっています。特に元気みなぎる若者たちは、海はだめ、大会も中止と、数々の名曲で歌われているようなひと夏の楽しみを味わうことができず、若者を見かけると、気の毒に思ってしまう今日この頃です。

 さて、マスクを付けたり、手を消毒したり、体調に違和感があったとき接触を避けることは、自分はもちろん社会を守ることになります。そんなのは面倒だ。他人のことなど知ったことか。と、この暑い最中ですと、思う時もあるかもしれません。

 しかしそういった考え方や行動は、巡り巡って自分に悪いように返ってきます。

 ところが、一人でも感染させずに守れたならば、その人と関わる家族や会社や学校も守られることになる。
         ↓    
 その家族や会社や学校に関わる多くの人々や会社や学校も守られる。
         ↓
 健全な社会活動が保たれる。
         ↓
 自分自身も守られる。

 と、こうなります。もしも、社会活動が止まってしまったら大変です。私の地域では、コロナだろうが、猛暑だろうが、電気やガスや水道も郵便物も止まったことはありませんでした。

 特に、今回のウイルスに対して8月ほど解明されていなかった4月時期に、人の飛沫や接触が濃厚であろうゴミの収集を止めずに続けていただいた社会に感謝の念を抱かずにはいられません。

 情けは人の為ならず。自分を守り他を守り、皆で明るい世の中をつくっていきましょう。諸行は無常ですから、ウイルス感染はいつか必ずおさまります。

 ただ、この自粛は悪いことばかりではありません。今回の世界的自粛で空気や海水は綺麗になっていると聞きます。これを機に、温暖化対策へ向けた行動の変化を、一緒に考えていきましょう。

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posted by 正翁寺 at 12:00| 日記

2020年06月23日

〜がんばれ人類〜  パリ協定の目標達成には、この慎みを10年続けよう

 まずはじめに、コロナウイルスで命を落とした多くの方々のご冥福を祈念いたすとともに、ご遺族はじめ関わる方々に哀悼の意を表します。

 さて、「コロナウイルスに打ち勝つ」とか「勝利しよう」。このようなメッセージが国内外問わずよく叫ばれていますが、皆さまはどのように考えますか?

 本題に入る前に、皆さま「パリ協定」というものをご存じでしょうか。
 近年の地球の温暖化は、自然現象説もありましたが、最新の報告では、人為的な可能性が極めて高いと言われています。つまり、私たち人類の活動が原因で地球の温度は上がり、生態系への影響や、異常な気象状況を作り出してしまっているというのです。

 このままのペースで行くと、2100年には地球の平均気温は、4.8℃上昇すると言われており、平均気温が4℃を超えてしまうと、今当たり前に食べている多くの食べ物が生産できなくなってしまうといった、危険な暗い未来を迎えてしまうことになるのです。

 そんな最悪な状況を迎える前に、みんなで行動を変えて地球の温度の上昇を、産業革命前から最低でも2℃未満に、できれば1.5℃未満に抑えて、明るく楽しい未来を迎えましょう。といって2015年に、すべての国の合意でできた約束が「パリ協定」です。

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 この約束は、非常に高いハードルと言われていますが、世界中の人々が、今回のコロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で、往来の封鎖や行動の自粛を余儀なくされたことで、温暖化ガスの排出量が大きく減って、このままのペースで行くと、2020年の温暖化ガス排出量は、パリ協定の目標値である、7.6%削減を上回る「8%削減」という試算が打ち出されたのです。(6/19日本経済新聞)

 ただし、7.6%削減の状態を2030年まで続けましょうという目標ですから、大変な話です。しかし、人類がどのように行動すればどれほどの削減になるのかピンとこない数値でしたが、具体的に知ることができました。すでに、イギリスでは空が明るくなって澄んできていると言われています。

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 観光産業や航空や運輸に関わる方々には、心苦しい結論となってしまいますが、いくら億千万円あっても作物や動物がいきいきと生きて、それをいただかなければ私たちも生きていくことはできません。これは子どもでも分かる論理です。WWF(国際自然保護基金https://www.wwf.or.jp
がうったえるように、「化石燃料は世界を豊かにしてくれない」という事実を、人類はいよいよさとらなければいけません。

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 仏教には、「知(ち)足(そく)」という、人類を豊かにしてくれる素晴らしい教えがあります。文字どおり、「足るを知る」ということです。電車や車があるだけでもすごいと思いませんか。離れた人と話ができるだけでもとんでもないことだと思いませんか。

 5Gだ宇宙だという前に、自分を取り巻く産業革命以降の先人たちの汗水のつまった素晴らしい文明に、そして、美しい四季折々の自然、その自然が作り出す空気、食べ物の源である大地や海に対して、すごいなあ。ありがたいなあ。と、事実を実感することが大切です。

 人類目線で見ると、「コロナに打ち勝つ」となりますが、地球目線で見ますと、「これ以上温暖化ガスを止めるにはどうすればいいのかなあ。どうすれば人間たちは、自分たちの首をしめていることに気づいてくれるのかなあ」と知恵をしぼるのではないでしょうか。

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『諸々(もろもろ)の苦悩を脱せんと願えば、まさに知(ち)足(そく)を観(かん)ずべし。知足の法は、即(すなわ)ちこれ富(ふ)楽(らく)安穏(あんのん)のところなり。

 知足の人は、地上に臥(ふ)すと雖(いえど)もなお安楽(あんらく)なりとす。不知(ふち)足(そく)の者は天堂(てんどう)に所(しょ)すといえども、また心にかなわず。

 不知足の者は富めりといえどもしかも貧し、知足の人は貧しといえどもしかも富めり。』遺(ゆい)教(きょう)経(ぎょう)(お釈迦さま亡くなる前の最後の教え)より

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 願うところは、この功徳によって、すべての生きとし生けるものが幸福に暮らせますように。
そして、さとりの光が現れますように。  合掌


(「IPCC」記述参照)https://www.jccca.org/ipcc/ar5/wg1.html )






posted by 正翁寺 at 11:49| 日記

2020年03月20日

〜苦は楽の種〜 苦しい時に出た気づき(さとり)は 未来への財産

 皆さんこんにちは。正翁寺のホームページへようこそ。

 今、コロナウイルスの感染が世界中に広がり、死者も出て大変な騒ぎとなっています。こういった苦しい事態は、今回の事態に限らず、人生において何度でも訪れます。

 しかし、苦しい時って、もがいてもがいてはい上がろうとします。病気になると、普段なら読まないはずの難しい本を読みあさったりします。そして、「ああ、こういうことだったのか」と気づくことがあります。

 気づくことを、インドの古典語、サンスクリット語で「サティ」といいます。このサティは、小さなさとりでもあります。お酒を飲み過ぎると、明日がつらくなってしまう。これも一つのサティです。

 現在様々な自粛の要請で、学校の休校や催しの中止などが相次ぎます。そこで、本当に世の中に必要なものって何だろうと、見えてくるものがあります。それが、サティです。

 苦しみもがいた末のサティを、どこかに刻み、自分の人生であったり、世の中の為であったり、未来に活かせればいいですね。

 苦は楽の種。どうぞ大いに苦しんで、あなたに素晴らしいサティが生まれるますよう祈念いたします。合掌 
posted by 正翁寺 at 10:12| 日記

2020年01月02日

自浄其意(じじょうごい)

 皆さん、こんにちは。年が改まり、新たな清々(すがすが)しいお気持ちで元旦を迎えたことでしょう。

 さて、今回の「自浄其意」ですが、そのまま漢文で読むと「じじょうごい」と読みます。

 もう少し分かりやすく、書き下してみますと、「自(みずか)ら其(そ)の意(い=心)を浄(きよ)くす」と読むことができます。

 これは、仏教の根本的な教えであります四句のうちの一つなんです。四句すべて記して見ていきましょう。

@諸悪莫作(しょあくまくさ)−もろもろの悪をなすことなく 
A衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)−もろもろの善を行い
B自浄其意(じじょうごい)−自ら其の心意(こころ)を浄(きよ)くす
C是諸仏教(ぜしょぶっきょう)−是(これ)がもろもろの仏(ほとけ)の教えなり

 となります。

 さらに簡単に訳しますと、「悪いことをせず、善いことをする。そして、自分の心を浄(きよ)くしていく。これが、仏教の教えですよ。」となります。

 な〜んだ。そんなこと3歳の子どもでも分かるわい、と思うでしょう。しかしですね、仏教の特色が大きく出ているのが、今回記した3句目「自分の心を浄(きよ)くしていく」ことなんです。

 綺麗に拭きあげたはずの床に少しずつほこりが着いていくように、私たちの心も日々少しずつほこりが着いていき、放っておくと頑固な汚れとなってしまいます。日々歯をみがいたり、衣類を洗濯するように、仏さまの教えに触れたり、あるいは学んだ教えを行動に移してみたりして、心を洗濯していきます。

 特別なことなどしなくても結構です。日常の中で口にする言葉や考え方、あるいは行動を少しだけ「善意(ぜんい)」に近づけるだけで充分です。自分の力量以上の極端な善意な行為は、疲れたり、ストレスとなって、かえって大きなゴミが付着してしまいます。少しずつで結構ですので、習慣化していき、意識せずともできるようになれば、また次のステージに移っていけばいいのです。

 皆さんには、それぞれの役割があると思います。学生なら、勉強や部活動。大人なら、仕事やそ子育てあるいは、孫育て。それぞれの役割を通じて、自身の人間形成をしていきましょう。

 気がつけば、いつの日か無理のない慈悲の行為が自然とできるようになることでしょう。そうやって浄らかな「おもてなし」が実現できれば、大成功といえるのではないでしょうか。

 自分の心を浄くしていくこと。それが、仏教の教えのベースにあることだと知っていただければと思います。 
 合掌
posted by 正翁寺 at 13:05| 日記

2019年11月02日

ライオンは、シマウマを食い尽くさない。 ところが、人類は…

 正翁寺には、草木地帯がありまして、冬になると草花は枯れ、春になると新芽が出てきて、成長し花を咲かせます。ところが、この何十年、いや、何百年、何千年(?)と続いてきたであろうサイクルが、10数年前から変わり始めてきたのです。

 毎年枯れるはずの草花が、正月を迎えても枯れずに冬を越し、春を迎えることとなりました。

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 もう一つ例をあげます。正翁寺の墓地は、山の斜面にありますので、参道には手すりが設置されています。その手すりを私たちは、毎朝ぴかぴかに拭きあげています。しかし、この手すり拭きは、実は簡単ではありません。なぜなら、アリや虫がいるからです。私たちはそれらを殺さないように、息で飛ばしながら拭いていかなければなりません。その虫たちも、一年中いるわけではなく、冬になりますといなくなります。

 再び地上に出て手すりに上がってくるのは、3月の初旬。虫がはい出る時期とされている「啓蟄(けいちつ)」を迎えるとと、見事に出てくるのです。いやはや、暦の真実性には驚かされます。



 しかし、これはもう過去の話となってしまいました。2年位前からは、節分には手すりに虫がいるんです。つまり、虫がはい出る条件が、1ヶ月も早く整ってしまうんです。温暖化は、夏の気温や台風の大型化だけでなく、じわじわと暖かい時期が長くなっていく現象ともいえるでしょう。土や虫に直接触れる機会がない都会に住む研究者や政治家には分からない変化であります。

 そのうち、蚊やハチが冬を越すことになり、そうなると生態系が著しく変わっていくものだと私は直感しています。都会住まいの研究者や政治家は頭で分析的に理解しているのでしょうけれども、自然といつも関わっている人たちは、自然からの警告を体で感じています。

 この人類史上最大の問題を解決する上で、大切な事は三つ。畏敬と感謝、そして調和です。

 1,畏敬…人類が大自然を恐れ、己の小ささを認識すること。私たちは小さいんです。

 2,感謝…切っても切れない大恩である大自然への感謝と、150年前まで存在しなかった文明の一つ一つに感謝をすること。本当なら日が沈めば暗いんです。明るくできることはすごいことなんですが、本当は不自然なんです。

 3,調和…地球の循環の範囲に私たちの生活を限ること。

 横浜市戸部にある病院には、アフリカサバンナの躍動する動物たちの写真が至るところに飾られています。これは院長先生自らが撮影されたもので、コメントが書かれています。「弱肉強食のアフリカの世界は、生生しくむごい世界だと思っていたが、何回か足を運んでいくうちに気づかされたことがある。それは、この弱肉強食の世界は、実は調和であったんだ」と。

 ライオンは百獣の王であるにも関わらず、シマウマを食い尽し、地球の循環の範囲を超えることまではしません。つまり、地球のはたらきに調和しているのです。そのことを、環境後進国の人々は、学ぶべきです。
posted by 正翁寺 at 16:03| 日記

2019年09月10日

〜おかげさまで〜 電気、ガス、車等の動力源は、生き物の死骸が主となっている

 私たちが生きていく上で、必要不可欠なものは何でしょうか。

 それは、水や空気や食べ物でしょう。いくら優れたアプリを取り入れようとも、上質な化粧品を使おうとも、水や空気や食料がないと話になりません。生きていけません。

 さらに、電気やガスや車も必要です。その原料となっているものは、化石燃料、つまり、動物の死骸です。車を運転する時、お風呂を沸かす時、ご飯を炊く時。みな、動物の死骸のお世話になっているということが言えます。

 成功や失敗、確信や迷い。人生いろいろありますが、現代人は、みな、動物の死骸のおかげで、豊かな生活ができているわけです。 合掌 
posted by 正翁寺 at 16:33| 日記

2019年06月22日

きゅうりのように育ちなさい!(ネルケ無方師)

 皆さんこんにちは。長い梅雨が続いておりますが、いかがでしょうか。

 さて、ドイツ生まれの禅僧、ネルケ無方さんは、お師匠様から「きゅうりのように育ちなさい」と教えられたそうです。きゅうり…?どういうことでしょうか。

 きゅうりは、麻のひもを一本垂らしておけば、勝手に元気よく育っていくものだそうです。では、麻ひもがかったら、きゅうりはどこへ向かって伸びていくのでしょうか。

 ちなみに、ネルケさんは、日本人はトマトだと言います。
 トマトは、三本位支柱を立てないと育たないそうです。つまり、しっかっりと支えてもらって、与えてもらわないと育っていかないということでしょう。

 さらに、ネルケさんは、欧米人はカボチャだと言います。
 自己主張が強く、横にはって育ち、隣のきゅうりやトマトを枯らしていく。

 いかがでしょうか。麻のひもは、お釈迦さまの教えであります。つまり、清らかな指針であります。指針は、日々変化する私たちの心を、適正なところへ戻してくれます。しかし、指針がないと戻ってくることはできなくなるかもしれません。

 「迷い」に満ちた人生だからこそ、基本となる座標のひもが必要なのです。 合掌

posted by 正翁寺 at 11:54| 日記

2019年05月01日

民、善く和(なご)み、また、民、自然とも善く和む。 これ、麗(うるわ)しき大和の始まりなり

 皆さんこんにちは。令和元年をむかえましたが、いかがでしょうか。

 平成は、西暦1989年に始まり、2019年に終わりました。たった30年の間に世の中は著しく変化しましたが、人間も変化したのでしょうか。生物学的に人間は、大昔も今も変わっていないそうですが、ものごとのとらえ方、感じ方は、変化しているようです。

 その大きなきっかけとなったのが、平成23年に起きた、東日本の大地震ではないでしょうか。素晴らしく様々な技術が進歩して、あまり人の世話にならずとも生きていけるような便利な世の中となりました。しかし、結局のところ、人と人は、いざとなったら助け合いが必要ということに気づかされました。また、当たり前の日常がいかに有り難いかということを、バチーンと横っ面をはたかれ、気づかされました。

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(奥松島の月浜で撮影、平成23年5月)

 また、平成の大反省がもう一つあります。それは、地球の温暖化です。世のため人のためと、先人たちがご苦労されて、エネルギーを消費して社会活動を行ってこられたと同時に、地球の温度が上がってしまいました。近年の世界的な見解として、台風や夏の雨の激しさは、地球の温暖化が原因と断定できるようになりました。言い換えれば、あの豪雨や台風は、人間が自ら作り出しているといえてしまうのです。

 新たな時代は、人と人が助け合って、自然と調和していくにはどうすればいいのかを、考えるだけではなく、実行していく。だとすれば、禅寺のシステムは、十数年後には最先端となるのかもしれません。刀狩りではなく、電気狩り令なんて法案が成立したら、大変なことになるかもしれません。でも、それはそれで楽しいかもしれませんね。

 人と人、人と自然が調和する時代となれば、本当に麗しいき日本国となることでしょう。合掌

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(南三陸のあるホテルの売店で撮影、平成29年5月)
posted by 正翁寺 at 16:31| 日記